伊吹山

 




1300種類の植物が自生する新・花の百名山「伊吹山」の危機を救う。伊吹山を守る自然再生協議会

(山と渓谷オンラインHP引用編集)

日本山岳遺産の横顔



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豊かな自然や文化を有する山岳エリアを認定する日本山岳遺産。それぞれの認定地では美しい山を次世代へつなげる活動が行なわれている。今回は、滋賀、岐阜両県にまたがる伊吹山で高山植物の保護などに取り組んでいる「伊吹山を守る自然再生協議会」を紹介する。


取材・文=一ノ瀬伸、写真=伊吹山を守る自然再生協議会


■日本山岳遺産候補地を募集中!


伊吹山を守る自然再生協議会


伊吹山を守る自然再生協議会(2019年度認定)

Area:伊吹山

Main activity:お花畑の保護

Group profile:

2008年に設立。滋賀県や米原市、地元自治会、環境保護団体、大学、企業などからメンバー30人が参加。伊吹山に自生する高山植物の保護をメインの活動に、外来植物の駆除や登山道補修などにも取り組んでいる。


希少で可憐なお花畑を粘り強く、守り続ける

伊吹山は花の宝庫だ。標高1377mながら冷涼で降雪が多い独特の気象が多彩な山野草を育む。淡い瑠璃色が美しいルリトラノオ、花の形が雅楽(ががく)を奏する伶人(れいじん)の冠に似ていることからその名がついたイブキレイジンソウといった固有種をはじめ、約1300種類の植物が自生するという。田中澄江による『新・花の百名山』に選ばれ、山頂付近の植物群落は国の天然記念物にも指定された。


しかし、そんなお花畑が危機に直面している。10年以上前から、シカの食害が始まり、山頂付近の花が激減。対策に乗り出したのが、「伊吹山を守る自然再生協議会」。滋賀県や米原(まいばら)市、地元住民、専門家などでつくる団体である。


2015年から2年かけ、山頂周辺の約30haに高さ2mほどの柵を設置し、花の群落を囲った。強風や降雪で柵が倒れたり、シカがネットを破ったりと問題にぶつかるも、粘り強くパトロールや維持管理を続けている。


伊吹山を守る自然再生協議会


シカの食害から植物を守るための柵を設置するメンバーたち

「メンバーのみなさんに努力していただいているおかげで、柵内のお花畑についてはかなり回復してきています。8月の花の最盛期には登山者からの『とても美しい』という声が戻ってきています」


協議会の事務局担当で県自然環境保全課の長坂浩史さんはこう説明し、手応えを感じている。


しかし一方で、まだまだ課題も多いという。継続的な柵の管理のほか、外来植物の繁殖、柵外の食害なども深刻化し、対策に頭を悩ませている。また、登山道の補修や公衆トイレの清掃など、登山者のために取り組んでいて活動にかかる費用の問題も大きい。


そこで登山者に入山協力金(1人300円)を募り、活動資金に充てている。登山口に受付箱を設置し、登山シーズンの週末にはメンバーが立って協力を呼びかける。「伊吹山は滋賀県で敬愛されています。植物だけでなくニホンカモシカや猛禽類など希少な動物もいて、古くから信仰の対象となった歴史もある。多くの学校の校歌にも歌われています」


長坂さんは伊吹山の誇りを語ったあと、メンバー全員の思いを述べた。「後世に残したい」と。


伊吹山を守る自然再生協議会


麓に暮らすメンバーが定期的に山へ入り、食害対策の柵や登山道を点検している

★日本山岳遺産認定地 詳細: 伊吹山[ 滋賀県・岐阜県]伊吹山を守る自然再生協議会(2019年)




日本山岳遺産候補地を募集中! みなさまの活動を支援します

日本山岳遺産基金では、今年度の日本山岳遺産の候補地と支援団体を募集しています。認定された支援団体には、活動費を助成します。


支援団体の条件


法人格を有する団体。または、同程度に社会的な信頼を得ている任意団体

山岳環境保全などの活動を、特定の山岳エリアで3年以上行っている団体

支援対象事業の実施状況、予算、決算などの財政状況について、当基金の求めに応じ適正な報告ができる団体

助成対象となる活動費の主な用途


資材・物品の購入など。またはこれらの修繕などの経費

旅費・交通費、宿泊費、食費、通信連絡費、現地事務所の光熱費などの経費

資料の翻訳、印刷、出版などに係る経費

助成金総額 250万円(予定)


詳細は日本山岳遺産基金のウェブサイトをご覧ください。

https://sangakuisan.yamakei.co.jp/isan-kikin/entry.html


(山と溪谷2022年4月号より転載)


プロフィール


日本山岳遺産基金


日本の山々がもつ豊かな自然・文化を次世代に継承していくために2010年に設立。「山岳環境保全」「次世代育成」「安全啓発登山」を目的とし、日本山岳遺産の認定と活動団体への助成金拠出、上記目的に合致した各種イベントやキャンペーン、山と溪谷社の各種媒体を使った広報活動などを行なう。

https://sangakuisan.yamakei.co.jp/


日本山岳遺産の横顔

日本山岳遺産基金は、豊かな自然や文化を有する山岳エリアを「日本山岳遺産」として認定し、その地域で山岳環境保全や登山道整備などの活動を行なう団体に助成金の拠出および広報による支援を行なっています。ここでは、これまでに日本山岳遺産に認定された山岳エリアと活動団体について紹介していきます!


多世代・多文化で登山者を受け入れる。東川町大雪山国立公園保護協会

2024.03.28

失った自然は戻らないから「丁寧に歩く」。吾妻山自然倶楽部

2024.02.29

クライマーたちの挑戦、復興、そして保全へ。ファースト アッセント ジャパン

2024.01.29

古道の歴史的価値を楽しく発信。七時雨ロマンの会

2023.12.28

“親心”で森を守り、慈しむ。フォレスト・マントル上鹿川

2023.11.28

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